こんにちは、しんしーです!
毎月の固定費を下げられれば、もう少し自由に使えるお金が増えます。
固定費の電気代に焦点を当て、中でもエアコンの節電効果に可能性がある方法を紹介します。
※私がエアコンの制御開発に携わっていた中で、参考になりそうな知識を元にしています。
電気代がかかる理由
エアコンは電気代の大部分を占めると言われています。
主な要因は3つです。
- 圧縮機に電力がかかる
- 運転時間が長い
- 機種が古い
その他の要因もありますが、共通して言えるのは上記の3つと考えています。
圧縮機に電力がかかる
圧縮機とは、人間の心臓と同じ役割を持っています。
心臓は血液を体全体に送り出すポンプのような役割をもつ臓器です。圧縮機は冷媒を室外機から室内機に送り出すポンプのような役割をもつ部品です。
心臓は止まる事なく常に動き続けます。圧縮機も基本的には運転中は動き続けます。
圧縮機はモーターが回転する事で、ポンプのように動作します。このモーターを動かすために電力が必要となります。
このモーターの電力はエアコン全体の約9割を占めます。
運転時間が長い
電化製品の中でも、動いている時間が長い分類に入ると考えます。
電子レンジやドライヤー、洗濯機などもエアコンと同様に電力がかかる電化製品ですが、使用時間は長くはありません。
24時間動いている冷蔵庫に近いと思います。
季節モノ家電と言われていますが、年々使う期間も長くなっているような気がしています。また、1日の使用時間も長くなっている気がします。
機種が古い
10年前に比べると、最近の機種の方が省エネ性能が向上しているため、同じ使用感でも電気代が安くなると考えられます。
また、長年使う事で経年劣化します。これにより冷暖房の能力が下がってしまいます。
冷暖房能力が下がると、部屋を冷やしたり、暖めたりするのに時間がかかります。その分、余計な電力を消費するため電気代がかかってしまいます。
まずは購入時期を確認しましょう
古い機種を使用している場合、買い換えが一番効果がある節約方法です。
特に10年以上前の製品をお使いの場合、故障しても修理する部品がない場合があります(設計上の製品使用期間が10年ものが多く、部品保管も大体10年となるため)。
故障したら直せない可能性があるため、買い替えがオススメです。もし真夏日に故障したら、設置できるまでに1ヶ月も待たされると地獄ですよね。
エアコンは安くはない買い物ですが、長期的に見れば電気代が下がった分で元がとれると思います。
運転時間を短くするよりも設定温度を
運転時間を短くできれば、何よりも効果があると思います。
ただ、真夏の暑い日や真冬の寒い日に我慢して健康を害するのは良くありません。健康を害さないためにエアコンがあります。
エアコンの温度設定は以下のように示される事が多いです。
これは外気との温度差が大きくならないように推奨された温度です。外気との温度差が大きいと、エアコンがその設定温度になるまでに時間がかかり、電力を大きく消費してしまいます。
これを防止するためによく言われる設定温度です。しかし、エアコンによっては冷房28度は暑く感じたりするため、27度や27.5度に設定するといいと思います。
あくまで私個人の体感ですが、28度は湿度が高すぎるので蒸し暑く感じます。ちなみにですが除湿運転も冷房運転も、基本的には同じ運転です。
なるべく外気を遮断する
エアコンは、部屋の空気を吸い込み、熱交換器により暖かい部屋の空気を冷たい空気にして吹き出したり、冷たい部屋の空気を温かい空気にして吹き出します。
せっかく冷たくした空気や暖かくした空気を外気に触れさせてしまうと、余計に電力を消費してしまいます。
夏場であれば、カーテンは遮光、遮熱機能が備わっているといいと思います。日照時間も長いため、日光を遮る事で部屋の空気を温めないようにすることが大事になります。
冬場であれば、カーテンはなるべく床につく長さがいいです。冷たい空気は重く床に沿って広がります。これを防ぐだけでも足元の冷えは解消できると思います。
私は冬場の日中はカーテンを全開にして、日光による輻射熱で部屋の空気を暖めています。空気が温まるので暖房のサポートになります。
機種を選定する(上級者編)
エアコンは低価格帯から高価格帯まで幅広くあります。
1つの基準としては、搭載されている圧縮機の種類で選ぶのもいいかもしれません。圧縮機はエアコンの消費電力を9割占めています。
他の機種よりも省エネで運転できれば、電気代を節約できる可能性があります。
圧縮機の種類
基本は3種類です。
- シングルロータリー(1ロータリー)
- ツインロータリー(ダブルロータリー、2ロータリー)
- スクロール
この中で、電力消費が少ない(省エネ)方式はツインロータリー、またはスクロールです。
シングルロータリーは他に比べ、運転速度が一定になるように特別な制御がされています。車の運転を例にして説明します。
一定速度で運転するのに、どちらの道をが楽でしょうか?
平坦な道を一定速度で運転する
理由は、上りと下りに合わせてアクセルを踏み込んだり、離したり、ブレーキを踏んだりするよりも、アクセルを同じ力で踏み続ける方が楽だからです。そのため、坂道を走る場合は平坦な道に比べてエネルギーを多く消費します。
シングルロータリーは他の方式に比べて、速度が一定でないと室外機が振動したり、運転音が大きくなってしまします。製品としてはクレームになりやすいため、様々な工夫(特別な制御)を施しています。
特別な制御が必要になる状況
運転直後は温度差があるため、圧縮機のモーター回転数を大きくします。この時が一番、電力消費が高くなります。始動時に電力がかかると言われるのはこれが理由です。
運転してある程度時間が経過すると、室温が設定温度に近づくと圧縮機のモーター回転数が下がっていきます。
シングルロータリーで特別な制御が必要になるときはどんな時か?図の色付いた部分が特別な制御を実施している条件です。
圧縮機のモーター回転数が小さい時が一番、速度を一定にする事に電力を消費します。
エアコンを長時間使用していると、一番この条件で動作していると考えられます。この条件であれば、ツインロータリーやスクロール方式の方がシングルロータリーより省エネで運転できる可能性があります。
シングルロータリーが使用される機種
このシングルロータリーは製造コストが低いため、低価格帯で使用されます。
一方で、ツインロータリーなどは製造コストが高いため、中〜高価格帯の機種などに使用されます。
気密性が高い部屋にエアコンを設置する場合、圧縮機のモーター回転数は小さくなると言われています。(熱が逃げにくく、設定温度付近で室温が安定するため)
そうなると、シングルロータリーよりもツインロータリーなどの方が電力消費において有利になる可能性があります。
気密性が高い部屋であれば、例えば12畳用ではなく8畳用でも十分に空調できると考えています。住宅性能の向上に伴い、圧縮機のモーター回転数をより下げられないかメーカーで検討されているので、今後に期待したいです。
より回転数を下げて運転できれば、より省エネになるので、電気代が下がると考えられます。
まとめ
エアコンの節電には絶対の方法はないです。というのも、設置された場所や住宅性能、使用している製品性能は簡単には変えられません。
その中でやれることは3つ
- 古い機種から最新機種(比較的新しい機種)に買い換え
- 設定温度を変える
- 外気と遮断する
エアコンは今はなくてはならない家電のひとつです。できる範囲で節電して、毎月の固定費を少しでも下げて、自由に使えるお金を増やしていきましょう!
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